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水分抜き?

公開日:2022年6月9日更新日:2022月06月09日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

水分抜き?

ローストの過程の話なのですが、世の中の多くの焙煎士は「水分抜き」という表現を使う。

ボクは独立をしてから、ほとんど自分の焙煎理論でこれまで取り組んできたことから、世の中の一般的を知らない浦島太郎状態でもあるのですが、世の中の当たり前がボクの中では当たり前ではなく、「それ、本当にそうなのか?」と言うことが多く、あまり世の中のローストの当たり前を信用していないし、実際に自分自身で試しながら、感覚を使いながら焙煎のロジックを構築してきた。

すると、「水分抜き」と言う表現は、ボクは使わない。
だってローストしていけば勝手に水分は抜けていくものなのだから。
それによって、熱量が不足してアンダーになったり、熱量が入りすぎてオーバーになったりしたとしても、それは水分抜きと言う発想が関わっているとは思えないので、その表現は使わない。

蓄熱性が低い焙煎機でずうっと焙煎を取り組んでいると見えてくる感覚がある。
それが、ローストの成り立ちと言う、ローストによって表情を変えているフレーバーの成り立ちが徐々に見えてくる。
ローストの全てを理解している訳ではなく、今まで取り組んできたローストの設定の中のフレーバーの成り立ちは年々理解が深まっている。

すると、焙煎機を使ったコーヒー豆のローストとは、ローストが進行するに従って発生する「水蒸気や煙」を「どのように処理するのか?」がローストの本質であるのだと考えている。
その処理の仕方こそが、ローストの本質であって、その処理の仕方次第で味づくりが変化している。

なので、その水分抜きとセットで語られる「蒸らし」と言う表現も、ボク的にはその意味がいまいち理解できていない。
それよりも、ローストによって人が手を加える工程そのものが、フレーバーとなって登場する事実を読み取れれば、自分の思うようにローストはできるようになるもの。

理論という頭の中で考えたことの多くは、現実とリンクしないことがほとんど。
なので、独学で取り組んだ結果に編み出したローストの手法は、カッピングからローストの設定を導き出すというもの。
これができるようになることで、再現性がとても高くなる。

再現性の低い美味しさは、偶然の産物であって、プロの仕事ではないのだから。

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