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2つの世界観の表現。

公開日:2023年10月12日更新日:2023月10月13日
カテゴリ:感覚のはなし, 良質さのお話。

2つの世界観の表現。

今週の日曜日のイベント出店した際に、イベントの環境下での味見のために花ブレンドを紙コップでカッピングしていた。
ボクたちは、かなり時間をかけてコーヒーを飲むので、その花ブレンドの残りをお風呂に入る前に飲んでいた時にフレーバーから伝わった情報から、気づいたことがあったのです。

それは、なぜボクがコーヒーのローストに惹かれたのかが明確に理解できた瞬間でした。
それは、水墨画や書道などと同じく、コーヒーのローストによる味づくりも「2つの世界観で思い描く表現ができるという点」なのだと気づきました。

2つの世界観は、水墨画や書道で言うと「墨汁と和紙」。
コーヒーの表現の場合では、ローストと素材です。
意思を持って描いたものと余白の部分の2つの世界観です。
コーヒーの場合では、どちらを余白と取るのか。
どちら側から見た世界観なのか。
それは、両者から見た世界観が問われるものが美しさであるのだとボクは感じています。

今までも、なぜボクはコーヒーのローストに惹かれていったのかを漠然としていましたが、そこに気づいた瞬間にはっきりとわかったのです。
それは、思い描く表現ができるということ。
そして、その2つの世界観の表現には、感情を乗せることができるということにです。

残念ながら、ケーキづくりではボクの求める表現は成り立たたないことに今回しっかりと気づくことができたので、28年前にボクは無意識のうちにコーヒーを選んだ自分の選択は、「そういうことだったんだな」と自分の中の無意識の選択に感心をしています。
何を求めて、何を手掛けたいのか?
それが選択に関わることなのだと。
そしてそれは、時を経てしっかりと理解ができることでもある。

この表現とは、美味しさの一部ではありますが、もっと情緒的な部分になります。
歌や楽器で奏でる音色や絵画に感情を乗せられるように、コーヒーのローストによる味づくりにも感情を乗せることができる。
それが、ボクが生涯とりくんでいける仕事だと思ったことだったのだと認識できたのです。

そして、認識ができたということは、そういう目線で味づくりが出来るようになると言うことでもあります。
ですので、これからは2つの世界観における美しさの表現をしていくことになります。
情景であり風景であるそういった美しさを脳裏で感じられる美しさを表現していくことになります。
そのためには、どのような風景が心を動かす美しさであるのかを学んでいく必要があります。
もうすでに、そのきっかけを掴んでいるので、それを理解できるように取り組んでいこうと考えています。

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