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トムヤムクンの酸味。

公開日:2023年11月8日更新日:2023月11月08日
カテゴリ:テイスティング

トムヤムクンの酸味。

昨日は定休日で、ランチにタイ料理を食べに出向いた。

最近、意識していることがあって、フレーバーの香りの情報で感じる「光の色」が登場するものと登場しないものがあることに気づいていて、フレーバーで感じている「光の色」は『どこから登場しているものなのか?』を探っている。

なぜ、光の色が気になるのか?と言うと、それは脳内で感じる香りの広がりの上部で感じられることで、広がりがふくよかになるからである。
香りの広がりがふくよかになることで、よりうっとりとするためだ。
これが、光の色が登場していないものは、明るさの輝きが感じられないから、美しさも半減してしまうし、広がりもこじんまりとしてしまうために、光の色が登場している美味しさと比べると感動のレベルは桁外れ的に違うものになってしまうからだ。
なので、ボクがコーヒーのローストで求めている味づくりは「光の色」を登場させることなのだ。

しかし、その光の色が”どこから”登場しているものであるのかが理解できたとしたなら、もっと狙ってクオリティの高い光の色を登場させることができるようになるのだと思うからだ。

前置きが長くなってしまったが、昨日ランチで出向いたタイ料理の「トムヤムクン」に光の色を感じ、その美味しさに感動してしまったのだ。
そして、ランチタイムにそのトムヤムクンを食べてから、どこからその光の色が登場していたのか、ずっと考えていた。

使われている食材を調べてみると、えび、きのこ類、玉ねぎ、唐辛子、レモングラス、パクチー、ライム(レモン)、ナンプラーなど。
これらの食材のどこからその「光の色」が登場しているのかを考えていた。
最初思ったのは「油脂ではなかろうか?」と考えたのだ。
しかし、油脂だとするのならば、乳脂肪分の生クリームなどは光の色が登場しなくてはならないはずが、生クリームでは登場しない。
では、どこから光の色が登場するのだろうか?

そんなことずっと考えながら、今朝ローストしたライトローストのエチオピアとグァテマラをカッピングしていた。
当店のエチオピアやグァテマラなどのライトローストのものには、光の色が登場している。
それを考えた場合に「酸味か?」と、思ったのだ。

スペシャルティコーヒーを評価するCOE評価には、8つの評価項目がある。
・クリーンカップ(透明感)
・スイートネス(甘さの質)
・アシディティ(酸味の特性)
・マウスフィール(液体の滑らかさ)
・フレーバー(風味)
・アフターテイスト(余韻の質)
・バランス
・オーバーオール
これらがなぜ8項目も必要であるのか?を考えてみると、特にスイートネス・アシディティ・フレーバーが区分されていることがとても重要であるのだと思うのだ。
スイートネスもアシディティもフレーバーに入れようと思えば入れらるのに、あえてその3つを区分させている。
そう考えた場合に、
「あの光の色の正体は、酸味なのではないのだろうか?」
と思えたのだった。
そう考えると、スペシャルティコーヒーの良さは「酸味特性」にあると言われる理由も納得できるからだ。

なので良質なコーヒーの液体を作るためには、仕入れによって優れた酸味特性を持つ豆を仕入れをすること、そしてローストにより光の色を登場させるような酸味表現を意図してローストを施すことで、より感情にまで届く美味しさに仕上げることができるようになると考えられる。
それらをより明確に「ここが大事」だと理解ができれば、意図して、狙ってそういう仕入れができるようになる。
そして、意図して、狙ってそういうローストができるようになるのだ。
なので、感じなければならないポイントは「どのような酸味なのか?」という箇所なのだろう。

美味しさの再現性とは、そう言うことなんだと思うのだ。

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