ゴッホ展から。


昨年から今年の3月を楽しみにしていた。
それは、兵庫で開催される「ゴッホ展」に行こうと思っていたからだった。

だけれど、確定申告を無事に終えたら、あのコロナウィルスでイベントが中止になり、ゴッホ展も例外ではなく3/15までの2週間の開催が中止されていた。
その後の開催があるのかさえ見えなかったけれど、3/17より入場制限を設けて開催してくれることになった。

もうタイミング的に3/17しか見に行ける日程がなかったので出向いてきた。
できるだけコロナに対して、できうる限りの対策をして出かけた。
そして、やっぱり出かけて、そして見れてよかった。

今回の展示は、ゴッホという画家人生がどのような人の出会いによって影響を受け、そして変化していったのかを、弟・テオへの手紙などから読み取り、影響を受けた画家の絵画と一緒に展示がされていた。

それらを年代順にたどっていくことで、その影響を受けた技法や色彩の変化を感じ取ることができる企画展だった。

ボクもそうなのですが、必ず何かのタイミングで出会いから影響を受け、そして変化している。
ボクのコーヒーのロースト技法の場合は、大阪時代に働かせていただいていたヒロコーヒーさんから基礎を学んだ。焙煎機の構造やしくみ、焙煎の考え方など。
そして、自分のお店<香茶屋>時代が始まる。
周りから影響を受けたくない考え方で、引きこもり焙煎<鎖国>時代を10年間ほどして、香茶屋独自のロースト技法を構築する。
今から思えば、この時代<10年間>があったからこそ、今に繋がるロースト技法とロジックが構築される。

そして、焙煎の競技会<JCRC 2018>の決勝大会に進むことが出来たことで、引きこもり<鎖国>時代から、現代のロースト技法に触れるという出会いがあった。
そして、より明るさを求めるロースト技法を知り、そちらのロースト技法を試すようになる。

それから2年が経ち、現在のロースト技法は、ロースト由来の茶色いフレーバーを透明感ある茶色に登場させる技法にたどり着く。
そこには、引きこもり<鎖国>時代と、現代のロースト技法とを知ったことのロジックから導き出されるダンパーの使い方の理解を深めたことに由来している。

現代の明るさを追求するローストだと、ロースト由来の茶色を登場させないようにローストするのが現在普及したロースト技法ですが、その反面、酸味がボヤけがちになりやすい。
なのでとっても良質な豆を使うことで、酸味の透明感は引出される。
それを補うように登場した焙煎機が「ローリング・スマート・ロースター(熱風式)」で、より明るく、そして酸味をシャープに登場させることができる焙煎機だと分析していますが、上の明るいフレーバーは登場するのですが、下のフレーバー(口内の下で感じるフレーバー)を登場させることが難しい。それはなぜかと言うと、ダンパーが無いから。

ボクが引きこもり焙煎<鎖国>時代に培ったロースト技法は、より酸味をくっきりと登場させる技法でしたが、下のフレーバー(ロースト由来のフレーバー)にしっかりとマットな茶色が登場してしまう技法でした。
ダンパー操作で、明るさを登場させる現在普及している技法だと、フレーバーの明るさは登場するのですが、酸味のくっきりさが登場しなくなってしまう。
二者択一の選択肢だとすると、どちらかを選ばなくてはならない。フレーバーの明るさを選択し、酸味のくっきりさを失うことになった。

そして、当店の焙煎機は排気ファンにインバーターを設置してあるので、インバーターの扱い方を試行錯誤しながら使っていく中で偶然、可能性のある技法を見つけることになる。
そして、ダンパーとインバーターの二つの組み合わせで、明るさと酸味のシャープさ、そしてロースト由来の茶色のフレーバーを透明感を保ちながら登場させる技法を見つけることができた。

そして、今ならば理解できる。
茶色はあった方がいいと言うことを。
これは、今回のゴッホ展でもそうですが、有名な絵画を見にいくといろいろと気づきがある。

暗く光量が少ない部分の色使いの中でも、ちゃんと「そこに何かが存在している」という具合にきちんと描かれている。
要は、マットな茶色にしてしまうと「透明感が無い」ので、他の色彩(フレーバー)が見えなくなってしまうのですが、透けるような茶色のフレーバーを登場させることが可能であれば、その他の色彩(フレーバー)は、暗い中でも微かにでも活きてくると言うことです。
そして、茶色の使い方は他の色を引き立たせる役目も果たしている。
要は、茶色が悪いわけではなくて、茶色の色彩を考えて登場させることで、活きてもくれば、活かされなくもあると言うことです。
そこを意識的に、そして意図的に登場させる技術力がありさえすれば、茶色のロースト由来のフレーバーはポジティブに語るようになるからです。

そして、今回のゴッホ展で、今まであまり本腰を入れて取り組んでいなかったのですが「深煎りの可能性」も模索してみようと言う考え方が生まれてきました。

もしかすると、美味しい深煎りコーヒーが登場する可能性が有ると言うことです。
すぐには上手くいかないと思いますが、理論上は可能性がありそうです。
ですので、ちょっと深煎りの焙煎もしっかりと考えてみようかと思っているのです。

 


 


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