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難解な味の調整、それが焙煎。
公開日:2025年9月11日更新日:2025月09月11日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

コーヒー焙煎を、ただ焙煎機にコーヒー生豆を放り込んで温度になったら釜から出すだけだと思っている消費者が多いことだろう。
コーヒーの味づくりは、お菓子づくりとは違って、甘さを登場させたい場合では焙煎のどこかの設定値を変更して甘さを登場させることになる。
お菓子づくりみたいに、「どのような種類のお砂糖を追加すればいい」みたいなことではないのだ。
そして、ただ単に甘さと言っても、どういった甘さを登場させるのか?
そのイメージが大きな問題でもある。
また、フルーティな酸味を登場させたい場合も同じく、焙煎の設定値を変更してどのようにしたらフルーティな甘くてフレッシュな酸味が登場するのかを探っていかなければならない。
フルーティでフレッシュな酸味とキャンディのような上質な甘さを同時に登場させたい場合は、どこの設定値をどのように変更してそれを登場させるのか?
味づくりにクオリティを求め出すと、その難易度はとてつもなく上がることになる。
これまでコーヒー焙煎に取り組んできて、良質な焙煎とは「クリーンさ」+「フレッシュで爽やかな酸味のフルーティさ」+「ローストの上質な甘さ」という3つが揃っていることだと考えている。
一つの設定でも難しいのに、3つを掛け合わせることとは、人間業とは思えないことなのだ。
だからそれを求めたい。
不可能に近しいことだからこそ、やりがいがある。
それが味づくりの目標である。