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思いは、フレーバーに乗り移る。

公開日:2020年8月13日更新日:2021月04月05日
カテゴリ:感覚のはなし, 良質さのお話。

思いは、フレーバーに乗り移る。

いつの頃からか、テイスティングの能力が高まってくることで、すばらしい美味しい料理からは「料理人の思い」という「感情」が伝わるようになりました。
それは、なんでだろう?と考えていましたが、「皆川明」さんと「糸井重里」さんのほぼ日の対談を読んでいて納得ができました。

それは、感情が味わい(物質)に移り変わっているからなのだということです。
皆川さん曰く
『「思う」と「物質」って、結局、存在のしかたが違うだけで、ほんとうは同じものなんだって思ったら、いろんなことに合点がいったんです。』
と話されていました。

ですので、味わい(物質)から作り手の感情を読み取ることができる人であるならば、美味しさは人の感情に働きかけるているということが理解できることでしょう。

ただ、すべての美味しさが人の感情に働きかけている訳ではないことをボクは気づいています。

そのキーワードが「質の良さ」です。
良質なものには「非凡さ」が存在しています。
「非凡さ」は、「並のモノよりずっと優れているもの。」です。
「非凡さ」には、なにかしら一般のものとは異なる「何か」があります。それが、手間ひまが掛かっているためか、特別な工程があるのか?なんなのかは分かりませんが、何かしら一般のモノとは異なるコトがあるので「非凡さ」が生まれています。
それは、言い換えると生産者の「思いが詰まっている」のだとボクは考えています。
だからこそ、非凡な特徴が登場するのです。

皆川さんの考えた「思い」と「物質」が同じものであるらなば、より思いが詰まっている「良質な素材」ならば、より人の感情に働きかける美味しさが生まれる可能性があります。
なので、当店でも「感情に働きかける」というスペシャルティコーヒーのランクの生豆を取り扱っています。

しかし、食は料理人という「作り手の思い」も同時に伝わるものです。
思いが詰まっている「良質な素材」を使い、料理人という「作り手の思い」が合わさることで、更なる「思いが詰まった美味しさへ」と昇華するだと考えています。

そして、なぜボクもテイスティング能力が高まって来たことで、すばらしい美味しさからは「料理人の思い」が伝わるようになったのかを分析すると、そこには「香りの元をたどる能力」の覚醒があったからだと分析をしています。

テイスティングの基礎は「香りのインプット」なのですが、いろんな「香りをインプット」していくうちに、徐々に口の中で広がるフレーバーの情報から「香りをたどることが出来る」ようになってきます。
フレーバーの中の香りから「どこに由来されて登場している香りなのか」を分析する能力が不思議と身についてきます。

ワインならば、「樽をローストした香り」だったり、「素材のブドウの香り」であったりです。
ビールなら、「麦芽をローストした香り」であったり、「ホップの香り」であったり。
コーヒーなら、「焙煎によるローストの香り」であったり、「素材のコーヒーの種子の香り」であったりです。

「香りの元をたどる能力」が覚醒してくることで、「作り手の思い」という「感情」も味わいの中に登場しているものが伝わるようになってきます。

言い換えると「感受性」と呼んでもいいのかもしれません。
より、モノ(物質)から「感情」を受け取れるようになるためには、いろんな取り組み方があることだと思いますが、そのひとつがボクが経験してきている「テイスティングの能力」にも備わっていると考えています。

何もテイスティングは表現をすることだけがその能力ではないということです。
一番の幸せを感じられる能力は、「感情」という「作り手の想い」を受け取れるようになるという能力なのだとボクは以前から思ってその講座を積極的にやり始めたのです。

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