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アナエロビックのコロンビア。

公開日:2021年12月23日更新日:2021月12月23日
カテゴリ:お店のこと。

アナエロビックのコロンビア。

昨日、生豆問屋の業者さんからコロンビアの新豆のサンプルが届いた。
早速、うちの相方と一緒にカッピングをしました。
すると、全体的にかなり良い。

その中で、ブレンドで使うタイプのものを1銘柄と、単品としてトップ・スペシャルティランクとして使うものを1銘柄えらびました。

ブレンドで使用するタイプのものは現在のエルミラドル農園のタイプのものとは印象が異なり、柔らかい感じのマイルドタイプ。
トップ・スペシャルティランクとして使うものは、業者さんに確認して「そうなんだ」と思った「アナエロビック」のものでした。
コロンビアですので、ウォッシュドプロセスのアナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)を施したものになると思われます。(まだこのコーヒー豆の詳細が届いてないので憶測で言っています。)

*生産処理をきちんとお勉強したい人に向けて → コーヒー生豆の問屋さんのサイト(生産処理について)

ボクが知る限りアナエロビックはコスタリカのCOEで、世界にその生産処理方式を広めることになった次世代の裏技的な生産処理スタイルです。
まだ完全に理解できていないので、細かな部分までは語れないのですが、現在ウォッシュド、パルプドナチュラル、ナチュラルとすべての生産処理プロセスでこのアナエロビックの手法を施す生産者が存在してきています。
簡単に説明をすると、コーヒー豆の生産処理はコーヒーを美味しく飲むために施される工程で、コーヒー豆の水分値を10~13%まで乾燥させるための前処理の工程となります。
ウォッシュドとパルプドナチュラルのプロセスでは、収穫後に果肉除去をまず施されますが、コーヒーチェリーの果肉の部分はとても薄くて、利用価値が無いと思われてきていたので、機械で果肉除去された後は廃棄されていました。
ですが、このアナエロビック・ファーメンテーションは、果肉除去された(A)というロットのパーチメント・コーヒーを大きな樽の中に入れ、(B)のロットの果肉除去した果肉の液体をその(A)の樽の中に流し込み蓋をして一定時間放置することで、酵素による発酵が進みます。
すると炭酸ガスが発生してくるのですが、蓋をしていることで樽内部の圧が高まることで、異なる(B)の果肉のフレーバーが(A)の種子に付いてしまうというものです。

ですが、なかなか良質なアナエロビックは難しいのか、カッピングしても見送ってきておりましたが、今回のロットはとても良かった。
アナエロビックの製法では、2つの異なるフレーバーが存在することになるため、なかなか上質で上品に2つのフレーバーが交わり合わさるフレーバーとなるロットが少なく、フレーバーが分離してしまっているロットが多いのです。
この辺りは生産者にもある程度のテイスティング・スキルが無いことには、その辺りのバランスを取ることが難しいためだと考えられます。

ですが、技術は失敗を繰り返すことで成長するものなので、徐々にアナエロビック・プロセスがスペシャルティコーヒーの生産処理として普及することは間違いないでしょう。

当店では、初めてのアナエロビックの取り扱いとなりますが、今までとはちょっとフレーバーの感じ方が異なるコーヒーとなる「アナエロビック」というキーワードを覚えておいて頂けたらと思います。
たぶんですが、このコロンビアのアナエロビックは3月頃から販売することになると思われます。
お楽しみに。

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