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人との出会いによって変化してゆく。

公開日:2022年4月22日更新日:2022月04月22日
カテゴリ:お店のこと。

人との出会いによって変化してゆく。

2018年に開催された、焙煎の競技会「JCRC2018」の予選を通過し、決勝に行けたことで大きく変わってゆくことになったのだと理解をしている。

大きな大会では、同じ熱量を持った人たちが集まるので、とても刺激をうける。
決勝は6人で戦うことになるのですが、ボクの中で一番大きく影響を受けたのは、その大会で5位になったFくんだった。

もちろん、他の4人もその能力はボクよりも素晴らしいものを持っていて、その当時のボクのカッピング・スキルはたぶん最下位だったように思っている。
ボクにあったのは、焙煎歴が一番長かったことで、その経験値と、徐々に良質さとは何なのかを理解できるようになってきたことだったのだと思っている。
その大会を機に、足りていないと感じたカッピング・スキルをもっともっと磨いていかなくてはと思うようになり、それからの4年間でボクの中では、良質さの理解がかなり具体的になり、そして進歩をしたのだと理解している。

では、その大会で一番影響を受けたというFくんからは、何を影響を受けたのか?
それは、その大会の予選は珍しく、「自分の焙煎機でローストしたコーヒー豆」を提出するという予選だった。
もちろん予選を受ける人たちの元に、大会側が用意した生豆が送られ、その送られた生豆を自分が用意できる焙煎機でローストし、それを大会側へと送り返して、それを評価して順位を決め、上位6名が決勝へと進出することができるというシステムだった。

もうその当時から、国産焙煎機のFUJIでは、クリーンなローストが難しかったり、明るい酸味を登場させることが難しかったりするので、FUJIを使っているスペシャルティコーヒー専門のロースターは少なかった。
ボク自身も背景にそういう理解があったことで、焙煎機の改造を施したくらいでした。
ですが、決勝に進んだ6名の中で、ボクと同じようにFUJIを使って決勝に進んだ人がいた。
それがFくんだった。
しかも、Fくんは改造をせずに、ノーマルのままの焙煎機で予選を通過していたことに、ビックリしたことを覚えている。
2018年の大会で1位になったIさんと、2017年に優勝をしていて、連続で決勝に進まれてミスをして4位になったNさんも実は過去にはFUJIを使っていたが、その後別の焙煎機に買い替えている。
それくらい、FUJIの焙煎機では良質なローストをすることが難しい。

そして、決勝大会では、予選とは異なり、実際に焙煎する様子を見ることができる。
そしてFくんのローストを実際に見て、そして決勝進出者は大会出場者のローストしたコーヒーをカッピングすることができるので、Fくんのローストしたコーヒーをカッピングしたことで、FUJIを改造もせずに予選を通過した意味を理解することになった。

あれから4年が経とうとしているが、Fくんのロースト技術の凄さは、FUJIを改造もせずにノーマルのまま扱っているからこそ磨かれた技術であったことを、年々理解できてきている。

世の中には、見て技を盗んだり、セミナーに参加して教えてもらったりをすることで、技術を自分のものにする人は大勢いる。
しかし、本当の技術の進化とは、そこに論理を組み合わせることで、今までには無い新しい進化を組み合わせることができる人を指すのだと思っている。
Fくんは、その一人であることに間違いない。

そして、ボクは誰にも言ってはいなかったけれど、そのFくんのローストの凄さに気づき、その技をひとつずつ取り入れることで、進化をしてきた。
今までボクが取り組んできたローストと、新しいローストとの融合っていうやつです。

これは、Fくんのローストを見て、そのコーヒーをカッピングしたからこそ理解ができたこと。
そういう出会いは、なかなかあるものではないので、ほんとその大会で決勝に行けたことはボクの人生の中の宝物なのだと思っている。
なので、ボクのローストを見て、そしてそれをカッピングした人の中には、ボクがしていたことに気づいた人は、融合できたんじゃないかなと思っている。

良質さとは、その成り立ちを理解するしか手段はない。
なので、ひとつずつ成り立ちの背景にあるものを細分化してその意味を理解することなのだと思っている。

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