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触覚のザラつきと香りのザラつき。

公開日:2022年4月29日更新日:2022月04月29日
カテゴリ:テイスティング, 感覚のはなし

触覚のザラつきと香りのザラつき。

以前のボクもそうだったのですが、ほとんどの人たちは嗅覚を日常的に使っていないので、嗅覚のレベルが衰えている。
でも、それに気づく人はなかなかいない。

ボクは、テイスティングを学んでいくことで、嗅覚が以前よりも感覚が敏感になり、以前では感じられなかったいろんな香りの情報が感じられるようになってきた。
すると、感じられなかった香りの情報のところに「美味しさ」も潜んでいることにも気づいた。
それは、どんな美味しさの情報なのか?

話し出すと、香りの持っている情報はとっても多いので、部分的に解説をしていきたいと思う。
今回は「ザラつき」について。

多くの人たちは、ザラつきと言うと「触覚」の舌や粘膜で触れて感じている「ザラつき」をイメージすることだと思いますが、ボクたちの見ている世界観では、「触覚のザラつき」と「香りのザラつき」の2種類を異なる感覚で見ている。

とあるチョコレートメーカーの人がテレビで言っておりましたが、触覚のザラつきはその粒子が20ミクロン以下になると感じ取れなくなるらしい。
なので、コーヒーの微粉が液体で邪魔をするのは、20ミクロン以上の微粉と言うことになる。
では、フィルターのメッシュを20ミクロンにすれば良いと考えることだろう。
しかし、液体の質感の難しいところは、理論で見るのではなく、感覚で感じとらなければならないところ。
この話をし始めると、テーマが「ザラつき」から外れていってしまうので、また後日に話すことにします。

では、香りのザラつきとは、どんな情報なのか?
香りは舌や粘膜で感じるのではなくて、鼻の鼻腔の奥にある嗅上皮と言う神経細胞を通じて脳で感じている。
なので、脳で「香りのザラつき」を認識しているのだと言えます。

触覚と同様に、ザラつきがあるコーヒーと、ザラつきが無いコーヒーでは、ザラつきが登場していないコーヒーの方が、美味しく感じることだと思います。
それが、質感の良さでもあるからです。

だとするならば、良質さを評価する場合に、香りのザラつきまで登場していないコーヒーの方が良質な訳です。
そして、コーヒーの場合の香りのザラつきは、ローストによって登場するザラつきと、素材から登場するザラつきがあるのだと考えられます。
そうした場合に、ローストによってもザラつきが左右してしまうので、「ザラつき」の登場しないローストの方が美味しいのだと考えられます。

触覚のザラつきと香りのザラつきが感じ取れる人ならば、良質なローストも感じ取れるし、良質な抽出も感じ取れると言う論理が成り立ちます。
なので、香りの情報が感じ取れる人たちの方が、よりいろんな美味しさを感じ取ることができるのだと理解できることでしょう。

ですので、それらを感じ取れるようになりたい人たちのために、当店ではテイスティングを教えているのです。
テイスティングは表現力でもあるのですが、他方では「感覚によって感じ取る」という世界観でもあるのです。

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香茶屋では、店主である私が歩んできた道を分析し、感覚が成長していく歩み方を伝えてゆくことで、正しいロジックのもとで各講座の「学ぶ。」が運営されています。

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