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ローストの甘さの是非とは。

公開日:2022年5月13日更新日:2022月05月13日
カテゴリ:感覚のはなし

ローストの甘さの是非とは。

何年前のことなんだろう?
たぶん10年も前のことではない。
そう6~7年くらい前のことなんだと思う。

その当時にコーヒー関係者で国際審査員を務める人に聞いた話があった。
ボクもエントリーする、焙煎の競技会の世界大会の審査員のジャッジに関する話でした。

焙煎の競技会の世界大会での審査では、どうやらローストの甘さがあるだけで「マイナスを付けられる」という話でした。
その当時から、スペシャルティコーヒーは「酸味が重要」だと語られており、ボクも酸味のフルーツ感こそが大事だと思っていましたし、今でも酸味のフルーツ感はとても大事なポイントなのだと考えています。
ですので、その頃から良質なスペシャルティコーヒーは「ライトロースト」だと言われてきました。
ですが、その情報は本当に正しいのか?

そうなのです。
その当時では理解できませんでしたが、「ローストの甘さ」が悪いわけではなくて、「ダメージのあるローストの甘さ」が評価を下げるのだと、現在ではそう解釈ができるようになりました。
そして、素材由来のフルーツ感のある酸味を遮らないような、ダメージの無いローストの甘さをバランス良く配置できれば、素材も活かせ、そしてローストの甘さから登場する粘性なども活かせます。

ですので、良質なコーヒーに仕上げるためには、「フルーツの酸味」を表現し、ダメージの無い「ローストの甘さ」を添加できれば良いわけです。
すると当然ながら質感は良くなり、爽やかで明るいフルーツ感のある酸味が登場するようにもなる。
昨日述べていた「光の色」を表現すれば、「爽やかで明るい色」が登場するということ。

ダメージのあるローストの甘さとは、茶色の「くすみ」や「濁り」、もっとひどくなると「ザラつき」など。
それらが登場してしまうと、茶色はマットな色になりやすいので、透明感のあるローストの色は登場しなくなり、当然ながら爽やかな明るい酸味が登場していたとしても、その茶色により掻き消されてしまうというロジックです。

ただし、それらを登場させないようにコーヒーをローストするためには、毎日使っている焙煎機にて、その焙煎機の微細な特徴までも把握できていることと、感覚で「ダメージ」を理解できていることの2つが揃っていて初めて、良質さを表現できるようになります。
どちらか一つだけでは不十分なのです。
ですので、良質なコーヒーを表現するためには、経験値と感覚が必要不可欠なのです。

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