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論理の正しさを感覚で検証する。

公開日:2022年5月29日更新日:2022月05月29日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。, 論理的な考え方

論理の正しさを感覚で検証する。

コーヒー焙煎をしていると、理論的に焙煎を組み立てることをほとんどの人たちはしているのだけれど、だいたいの人たちは、最新式のローストの考え方では誰それさんが「その理論で焙煎しているから」それを取り入れているだとか、、科学的にこういった反応が起こっているために、理論上そういうことを取り入れることでこういった味わいになる。だとか、そんな話を耳にしたりする。

ボクはあまのじゃくで、あまり皆がしていることを積極的に取り入れたりしない。
言わせてもらえば、人の言っていることを疑っているし、信用していない。
なので、取り入れるのであれば、その理論は本当に正しいのか?をまずは自分自身で確かめた上で、その技法なりを採用していくことになる。

もうお気づきの人もいるとは思いますが、「理論」と「論理」という言葉をボクは使い分けている。
ボク的には、理論という言葉の意味合いは「思考の中で組み立てられた考え方で、それが正しい道理なのかが検証されていない情報を指す。」
それに対して論理という言葉の意味合いは、「思考の中で組み立てられた考え方の筋道の一つずつの順序と道理が正しく作用していること。」
という違いがあると考えている。

なので、論理の場合には、その論理が正しいのかを必ず検証する必要があり、正しくない場合は、正しい道を見つけなければならない。
では、その検証は何によってなされるのか?
ボクの中では、それを感覚によって検証することだとしている。

だからこそ、その感覚が本当に正しいのか?という判断もとても大切になる。
なので、そこを磨くためにも感覚を育成させていくことがとても重要なことなのだという位置付けにしている。

食品関係の場合は、人による官能検査により、品質を判断している。
機械よりも優れた人の感覚の方が品質を判断できるものであると認識されているのでそうなっているし、ボク的にもそうだと考えている。
なので、感覚でキチンと判断できるようになるために、日々感覚を磨いているのです。

そして、その感覚により「焙煎の論理が正しいのか?」を判断することで、論理的に焙煎の設定を組み立てているわけなのです。
すると、もう十数年も前になるのですが、世の中で出回っている焙煎理論は、ボクの中では正しい論理ではないものがほとんどだったので、当店の焙煎は自己流になっていった。

今までの経験上なのですが、人の頭の中で考えていることなんてものは、そのほとんどは正しい道理ではありません。
なので、一番手っ取り早いことは、感覚によってその「声」を聞くことができるのであれば、その方が早い。
理論立てて考え、それから味づくりをするよりも、感覚から判断をして味づくりをする方が早いのです。
でも、フレーバーの「声」を感じ取れる人はそう多くはありません。

そして、その「声」の通りに味づくりをして、後で「なぜ?そうしたのか?」を論理立てて考えていくことで、感覚と論理を使ってより繊細で緻密な味づくりができるようになる。
それが、当店が考え出した味づくりのロジックなのです。

それを考えた場合に、まず一番に取り組まなければならないことは「感覚の育成」です。
そこが、始まりですので。

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