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香りの情報を脳が認識する2つのルート。

公開日:2021年5月13日更新日:2021月05月13日
カテゴリ:感覚のはなし, 良質さのお話。

香りの情報を脳が認識する2つのルート。

香りの情報は、嗅覚神経によって2つのルートによって脳で認識する言われています。

1つは、他の五感「視覚・聴覚・味覚・触覚」と同じルートで、視床に届き、そこで中継され、その後に大脳新皮質の感覚中枢に入り、感覚として認識されます。

もう1つのルートが香茶屋では大切だと考えているルートで、嗅覚神経が一番距離的に近い大脳辺縁系という領域にダイレクトに情報を伝えるルートです。

大脳辺縁系は、大脳古皮質とも呼ばれる領域で、「記憶・学習・喜怒哀楽」などを管理しています。
この領域にある「海馬」は、記憶の形成に関与し、「扁桃体」は情動行動に深く関与しています。
さらに香りの情報は、その付近に位置する「視床下部」や「下垂体」にまで届くため、視床下部で自律神経系や免疫系、下垂体でホルモン系にまで関与するのです。

香りの情報である嗅覚情報は、大脳でその情報の解析を行う前に、原始的な脳の部分で感知され、私たちの意識に関係なく、それに対処する活動がすでに体の中で起こるのだということです。
なので、匂いを嗅いだ瞬間に、その匂いが何かを思い出す前に、ある種の感情が湧いてくるという、嗅覚独特の反応が起こるのだと「香りの科学:(著)平山令明」さんの本で解説されています。

この本を読んでみて、ボクがこれまで歩んできた、テイスティングの学びから、現代のほとんどの人たちは、2つ目の「大脳辺縁系にダイレクトにつながるルート」よりも、他の五感と同じルートである「大脳新皮質で認識される」ルートで嗅覚情報を認識されている場合が多いのではと仮説が浮かんできました。

それは、ほとんどの人たちは、良質さをその一部分しか感じ取れていないことや、良質さがもたらす情緒的な部分を感動している人が本当に少ないことから、「大脳新皮質で嗅覚情報を認識されている」と分析すると納得ができるからです。

だとするならば、ボクが取り組んできた嗅覚のレベルを向上させるトレーニングというのは、「大脳辺縁系」でダイレクトに嗅覚情報を認識させる手法なのだと言えるかもしれません。

良質な香りの情報には、感情に訴えかけるものがあることには気づいていますので、まさしくそれは「大脳辺縁系」で感じていることになるからです。

これらの解析を読んでみることで、いろんなことがまた繋がり出しています。
感じることは、脳で処理をしていることですので、それがどこで処理されているのか?ということなのですね。

だとするならば、どこで処理をするためには、何を意識して、何をしなければならないのか?
それがわかれば、そのルートで脳が情報を処理できるようになるということです。

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