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お菓子作りのための官能検査。

公開日:2023年3月23日更新日:2023月03月23日
カテゴリ:感覚のはなし

お菓子作りのための官能検査。

常々、良質なコーヒーを作り出すためには、仕入れ→ロースト(焙煎)→抽出まで一貫した論理にすべてを当てはめて取り組むことが大切なのだと考えている。
どこか一つでも、その取り組みの論理が間違った方向に向いていると、品質は落ちてしまうからだ。
実はこれ、すべての食に対して言えることなのだと思っている。

それに当てはめて考えてみると、はじまりの一歩である仕入れでつまづいてしまうと、その後の取り返しがつかない。
しかし、その仕入れの良し悪しを判断するのは感覚になるので、どのようなものが良質を示す条件であるのか?を理解していなければならない。

食品は最終的にすべて人による官能検査により食品の品質をチェックしている。
コーヒーで培った感覚を使って、お菓子づくりに応用したいと考えている。
まずは、はじまりの一歩である仕入れが、とても重要になる。

今まで店内で提供していたお菓子を17年間ほど作っていた経験から、すでに卵と乳製品の目星がついている。
卵と乳製品でチェックしなければならないのは、「臭み」だと思っている。

臭みの原因は、エサと育成環境の2つ。
これは、食べて感覚により判断されるものなので、実際に食べて、飲むことで判断しなければならない。

まずは、臭みが登場していないもので、その次に質感が良いもの。
エサの違いは、脂質に臭みと質感の違いが明確に登場すると思っているので、官能検査により良質なものが探せるようになる。
両方が備わっているものは与えられているエサが良いものなので、当然仕入れが高いものになり、その次としては意味が理解できるものを使用したい。

「意味が理解できるもの」というものは、お菓子づくりの場合には、卵、小麦粉、乳製品などいろんな食材を混ぜ合わせることになるために、混ぜ合わさった時に、その食材を使う意味が理解できない場合には、それを使う必要性がないと考えている。
多くの作り手は「こだわり」で食材を選ぶが、「こだわり」では意味は理解できない。
意味は感覚で官能により判断することで、その必要性を判断できるようになるため、感覚で判断をしなければならない。
そして、意味が理解できないものは、不要なモノだという認識となる。

なので、一つのお菓子に使われることになる、ひとつひとつの食材すべてが意味のある味づくりとなるために、官能検査により判断されることが大切なのだと考える。
なので、コーヒーでもお菓子づくりでも嗅覚の育成がとても重要になるが、料理人やパティシエはテイスティングに携わることは無いので、良質さの本質を探れる人は生まれつき感覚の良い一握りの人しか、その世界観で商品を作れる人がいないのだと分析ができる。

なのでボクはスペシャルティコーヒーと出会えてよかった。
生まれつき凡人であるボクがスペシャルティコーヒーと出会って、テイスティングと向き合っていなかったとしたなら、良質さの世界の扉を開くことはなかったのだから。

良質さの美味しさに気づけたことで、作り手を感じられるようになった。
美味しさはモノを見ているけれど、良質さは作り手を見るようになる。
それが、テイスティングが教えてくれたことでもある。

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