香茶屋
MENU

読み物。

Blog

良質さの基準を自分のなかに作る。

公開日:2021年7月18日更新日:2021月07月18日
カテゴリ:良質さのお話。, 講座。

美味しさは、「好き」「嫌い」で成り立っている。
だから、人によって美味しい、美味しくないがある。

では、「良質さ」を現している「良いもの」とはなんなのか?
その基準を理解しない限り、自分の好き嫌いで美味しさを判断してしまうことになるのです。
ですので、世の中のSNSなどの評価はすべて、その人の好みの評価だと言えます。
多くの人たちが支持していたとしても、それは好みの評価であってクオリティの評価では無いということです。

しかし、ボクたちがコーヒーで付けている評価点数はクオリティの評価なのです。
好みではない、品質という目線の評価なのです。
ここに評価の難しさがあります。

ボクは、スペシャルティコーヒーと出会ってしまったことで、それを焙煎で導きだすために、良質さと向き合うことが課題となってしまいました。

すると、良いものと悪いものの基準はなんなのか?
まずは、そこに疑問を抱きました。
その基準を自分の中に作っていくことがまずは大切なのだと。

そこで学び始めることになるのですが、スペシャルティコーヒー業界では基準が作られるようになりました。
SCA(スペシャルティコーヒー協会)が主催となりその基準を採点化する評価システムです。

ボクが取り組んだのは、COE(カップ・オブ・エクセレンス)と呼ばれる国際的な品評会で採用されている採点評価システムで、SCA評価システムと似ているのですが、その特徴は「強さではなく、すべて質を評価する」というポイントだったからでした。

例えるとするならSCA評価は、スペシャルティコーヒーとそれ以外のコーヒーとを線引きをするための評価に優れている基準で、COE評価は、採点によりそのコーヒーの優劣を点数化して可視化し、順位をつけるところに優れている基準だとボクは考えています。

そして、COE評価基準を学んでいくことで気づいたことがあります。
それは、良質さとはそのコーヒーを評価することだけではなくて、人で例えるとするならば、顔が美しい、手足が長い、ウエストが細い、背が高い、背は低いけどバランスが良い、スタイルは良いけど性格が良いとは思えない、スタイルは良くはないが性格が素晴らしいなど、人を見る基準はそれぞれであるように、良質さを判断する基準はそのコーヒー豆の持つ特徴そのものを見てあげることなのだと。

すべての評価項目が満点のコーヒーなど存在することはありえない(普段ボクたちが口にできるコーヒーではありえない)ように、コーヒーそれぞれの良さを評価することで見えてくる世界があることに気づきます。

マウスフィールの素晴らしさを評価するコーヒーもあれば、フレーバーの複雑さを評価するコーヒーもあれば、フレッシュなフルーツの酸味を連想させるコーヒーもあるように、良質さとは液体であるコーヒーの特徴のどこが素晴らしいのかを明確化し、どこがこのコーヒーの素晴らしいところなのかをキチンと評価してあげることなのです。

そして、より学ぶことで、素材の評価をするのが、SCA評価であったりCOE評価であったりとするのですが、本来の液体にしたコーヒーの評価には、ローストによる評価や抽出による評価も存在していることに。
それらも感じ取れるようになると、どのようなローストがクオリティの高さなのか。どのような抽出がクオリティの高いものなのかが理解できてきます。

学ぶ前のボクのように、ほとんどの人たちは「好みを追求」することに重きを置いて生活をしています。
好みの追求なので、そこに良質さの基準が入っていたり、入ってはいなかったりします。
質が良くても悪くても、好みならすべて美味しいというわけです。

ですが、良質さを学ぶことで、今まで捉えてこなかった(感じていなかった)目線で美味しさを感じられるように変化をしていきます。

すると、見える世界が変わってくるのです。

多くの人たちには必要のないものですが、目指すものがある人には必ず必要になるスキルでもあります。
そこに気づいてしまった人なら、この重要さは理解できることでしょう。
そして、どこにもそれを伝える環境が無いことにも気づくことだと思います。

その学びが、香茶屋が開催しているテイスティングの基礎講座なのです。
そこに興味を持つか、それとも必要ないかで、これからの人生で見える景色は変わります。
ボクは仕事柄、偶然知ることになったその世界観こそが人が生きていく上でとっても人生が豊になることなのだと気づいて、この講座を必要だと感じた人たちに伝える扉を用意したのです。

学ぶ。

Online Seminar

香茶屋では、店主である私が歩んできた道を分析し、感覚が成長していく歩み方を伝えてゆくことで、正しいロジックのもとで各講座の「学ぶ。」が運営されています。

オンラインセミナーの詳細へ

読み物。

Blog

© kaori-chaya