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フレーバーは多くを語る。

公開日:2023年10月5日更新日:2023月10月05日
カテゴリ:テイスティング

フレーバーは多くを語る。

これは、最近ちょっと感動すら覚える牛乳を見つけたお話し。

コーヒー・テイスティングを学ぶようになってから、いろんなフレーバーをキャッチするようになってしまった。
牛乳だとエサの風味であったり、搾乳を終えてからの塩素系の消毒が不十分だった時の香りだったりも感じてしまうようになった。
これは、テイスティングで香りの情報の元をたどるという能力が備わってくると、その香りがどこから登場したものであるのかを分析する能力でもあるのだと考えている。

牛と牛乳のことを考えて、きちんとしたエサを与えている牛乳はエサの風味の余韻が臭くなく、乳脂もキメ細かな滑らかさになるのだと思っている。
搾乳を終えてからの消毒のための塩素系の消毒液も、きちんと濯いでいれば、塩素の香りが牛乳に残ることはまずないのだとも思っている。
がしかし、それらのフレーバーを感じてしまう牛乳は、残念ながら人為的な取り組みが充分になされていないから、それらのフレーバーが登場してしまうのだと考えているので、そのようなフレーバーがどのくらいの頻度で登場するのかで、そのメーカーの考え方や作業員の指導不足など、実際に見てないけれどフレーバーから見えてしまっている。

もちろん、美味しいと思える牛乳は、それらの風味を感じないものになる。
そして、最近出会った牛乳は、一般流通している価格帯で販売されていたものである。
プライベートブランドの商品なので、かなりの量を生産しているのだと推測しているのだが、かなりの量を生産しているはずなのに、エサの余韻も人為的な取り組みもきちんとしていることがフレーバーから感じ取れるのだ。

これはすごいことをしていることが、フレーバーから感じられるのだ。
何がすごいのかと言うと、大量生産になればなるほど、多くの酪農家から牛乳を買い取ることになる。
その多くの酪農家のほぼ全てが、きちんとした指導の元でエサの管理と搾乳後の消毒などきちんとされていることになる。
言うのは簡単だが、実際にやるとなるとこれほど難しいことはないのだ。
だから、大手の一般流通している牛乳では、感動するレベルの牛乳を流通されることができないからこそ、その価格帯になるからだ。

ボクがローストするコーヒーも、きちんとローストを管理しているからこそ、きちんと管理されているフレーバーが登場するのだ。
5kg釜なのに今は一度に2kgまでしかローストしていない。
それは、2kg以上をローストするとバランスが崩れてしまうのでそうしている。
良質な味を登場させようと考えた場合には、いろんな箇所に良質な美味しさという制約が課せられてしまうから、それを守りながら味づくりをしなければならないので、良質な美味しさを登場させることは難しく、だからこそ少量生産になっていくからだ。

なので大量に生産されているのに、良質な味づくりをすることは、企業としてすごいことをしている。

フレーバーは多くの真実を語っている。
それを読み取る能力がテイスティングなのである。

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