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美しさを表現すると言うこととは?

公開日:2023年10月11日更新日:2023月10月11日
カテゴリ:感覚のはなし

美しさを表現すると言うこととは?

先日、冷凍庫の中の片付けをしていると、2009年のCOEニカラグアの豆が少量保管してあるのが出てきた。
過去のローストを確認するために、気になったローストの豆を冷凍保管するクセがあるのだ。

2009年のCOEということは、販売は2010年である。
なので、現在から13年前のローストということになる。

恐るおそる、ミルで粉砕して、現在の抽出法である浸漬式で抽出してみた。
粉砕した直後の粉の色からして、ローストの熱量が入っていることがわかる。

冷凍庫の奥に入り込んでいたのがよかったのか、冷蔵庫のニオイも吸着されておらず、13年経っているのにフレーバーのダメージは感じなかった。
でも、その当時のローストの味づくりは、今のように素材が見えてこないで、ローストに隠れてしまっている。

これは、13年間という期間でボクの感覚が向上したことで、液体の中のローストと素材の2つの異なるフレーバーが感じられるようになったからこそ言えることで、その当時はそのローストがベストだと思って取り組んでいたことを思い出す。

人は進化する。
技術も進化するが、感覚も進化をするので、当たり前だけれど言うことは変わるのだ。

これから、この先はどう変化していくのだろうか?
そう考えたりもする。
当然ながら、感覚は理解できていないものに関しては、その目線は「無」であるため、今現在感じられない感覚を見つけることは、とてつもない大発見となる。

ボクは元々嗅覚が鈍かったので、そんなボクが今まで見つけた大発見は、「香りに重さがあること」「香りに色があること」「香りに密度があること」「良い香りの色は光の色だということ」。
小さな発見は、とても沢山になるけれど、それらが積み重なって今のローストの技術につながっていて、その技術は感覚から発見されている。

その大発見を、これからの人生で幾つ見つけられるのか?
それが見つけられたのなら、その見つけた数だけ味づくりも進化をすることになる。
伸びしろは、感覚をもって新しい目線で何かを感じられるようになった瞬間から、その目線の味づくりができるようになる。

美しさを表現すると言うことは、そういうことなんだと思っている。

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