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マテリアルは、ローストと素材を現す。

公開日:2023年10月26日更新日:2023月10月26日
カテゴリ:お店のこと。, お菓子づくりのこと, 感覚のはなし, 焙煎の味づくりのこと。

マテリアルは、ローストと素材を現す。

季節の移ろいは、焙煎士にとっては、とても厄介な変化である。
大気の熱量が変化しているので、豆の持つ熱量も変化してしまっているし、当然大気の熱量も変化しているため、数日前と同じローストをすると当然ながら、ローストで味づくりしたバランスは崩れることになる。
カッピングという結果を検証する行為で、どのようにバランスが崩れてしまったのかを判断し、次のローストで修正していくしかバランスを整える術はないのだ。
そのための技術が、ロースト目線のテイスティングである。

 

昨日、ブログに書いた「マテリアル」を少し解説してみることにする。
「マテリアル」は、コーヒー生豆の素材を表してもいるが、ローストの「マテリアル」でもあるからだ。
では「マテリアル」とは、どのような目線であるのか?
「マテリアル」は粒子、すなわち「粒」なんだと思っている。

その「粒」が大きくなると「影」が登場し始める。
「影」が気にならない大きさならば、粒子は小さく、滑らかな質感であると言える。
そう受け取ることができれば、粒子は小さな方が影が登場しないので、明るくなるというロジックであり、粒が大きくなると影が登場してくるのでマットな印象になる。
もちろん粒が大きくなれば、触感としても滑らかさを損ねるので、液体の良質さは落ちてしまう。

これを感覚として受け取ることができるのであれば、明るくそしてキメの細かな滑らかさを表現することができる。
しかし、感覚として認識できていない状態では、それを作ることはできない。
これも感覚としてのロジックである。

モノづくりにおいては、「感覚としての認識」と「知識としての理解」の両者が求められる。
知識としての理解は、すぐに成し遂げられる情報だが、「感覚としての認識」には、生まれつきのセンスが備わっていないのならば、学びとして感覚を育成するしか手段はないことも理解をしている。

なので、コーヒーの味づくり目線のマテリアルの捉え方は、両者を現している。

なお、このマテリアルは、お菓子づくりにおいても同じ解釈で表現できるものであるが、お菓子づくりにおいてのマテリアルは仕入れが全てであるのだと思っている。
なので、お菓子づくりにおいても、テイスティングで「マテリアル」の良質な仕入れをすることが、本来は求められるが残念ながらお菓子づくりの世界ではテイスティングを学ぶ機会が無い。
なので、生まれつきのセンスの持ち主しか活躍できない土俵になってしまっているとボクは思っている。

なのでコーヒーのローストの面白さは、テイスティングの学びと繋がっていて、学べる機会があることがスペシャルティコーヒーの世界観でもあるのだと思っている。

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