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香茶屋の抽出の論理。

公開日:2022年1月23日更新日:2022月01月26日
カテゴリ:抽出のはなし。

香茶屋の抽出の論理。

香茶屋の味づくりは焙煎(ロースト)でバランスをコントロールする運営をしているため、抽出で味づくりをコントロールする必要性がありません。
ですので、100°Cの熱湯で抽出をしたいことが抽出での味づくりの前提にあること、そしてお客さんがご自宅で香茶屋のお店と同じような味を再現するためには、抽出での技術力がほとんど必要されない抽出法が浸漬式(しんし)の抽出法なのだと考えに至りました。
この抽出法は、味の再現性が高く、抽出での技術力がほとんど必要とされないので、香茶屋では2020年9月より採用しています。
その代わりに、ローストでバランスを整えなくてはなりませんので、当店のようにローストでバランスを整える味づくりをされているお店でない限り、なかなか成り立たない抽出法でもあり、そこが味の安定性へとつながっています。

>香茶屋の抽出説明サイトへいく

では、その浸漬式の抽出法での味づくり(コントロール)の論理を解説したいと思います。
浸漬式での味づくりでは、まずは基本のレシピを参考にしていただきます。

当店のレシピは、「カリタさんの10gメジャーカップ」すりきれ1杯を容積として使用します。
(*重さで計らないで、容積として計量します。)
そして、お湯の量は「205~210g」をスケールで軽量します。
そして、浸けこむ時間は、4分10秒にしています。
これが、1杯分のレシピです。

ミルの挽き方は、このレシピを使用した場合にカッピングしながら、ミルの調整をしてください。
このレシピを使用した場合に、全体的に味が強く登場している場合は、粉が細かいので粗く挽くように調整してください。
味が薄い場合は、粉が粗いので細かく挽くように調節をしていきます。
1度の調節でベストの場所はなかなか見つけることは難しいですので、時間に余裕がある時に、同時に2杯を一目盛りずつずらして同じ豆を使い浸漬式で抽出をしてカッピングをしてみます。
すると、同じ豆でミルの挽き方だけ変えてカッピングをすることで、ミルの挽き方で味が変化していることが理解できます。
そうやって、一番ふくよかで好みの味わいが登場するミルの挽き具合の場所を見つけていきます。
ここまでが、香茶屋がお店でしている浸漬式のレシピとなっております。

そして、ご自宅で好みの味わいを見つけていくための抽出の論理としましては、
1・どのようなミルを使うのか?
2・どのようなお水を使うのか?
で、好みのコーヒーに仕上げることができます。

1と2は、どちらも基準は同じで、「透明感(クリーンさ)」⇄ 「甘さとボリューム(コク)」のどこら辺りのモノを選ぶかです。
「透明感(クリーンさ)」と「甘さとボリューム(コク)」は相反するものですので、どちらが好みなのかで、求める味づくりのための「ミルの選び方」と「お水の選び方」が相反します。
あまり「甘さとボリューム(コク)」が強く登場するものは、雑味も多くなりますので、雑味が気にならないものを選ぶことが大切です。
これは、同じコーヒー豆を使った場合に登場する味の変化を意味しています。
コーヒー豆が同じでも、使用するミルや使用するお水をどのようなものを使うのかで、味が変わるのでその使用するミルやお水を意図的に使うことで、より好みのコーヒーにすることができます。

これは、実際にカッピングをして決めなければならない点ですので、実際にカッピングできるとよく分かることだと思います。
当店の場合は、2種類のミルを選んで販売をしておりますので、その2種類のミルで挽いた粉の状態のコーヒーのチェックするための販売もしています。

>2種類のコーヒーミルで挽いたコーヒー豆を飲み比べする。

ちなみに、透明感とフルーツの良質な酸味を登場させるミルが「NEXT-G2」で、ローストの粘性と甘さやボリュームを登場させたいミルが「ナイスカット-G」となっています。

大まかな特徴として、コーヒーが好きな人は深煎りのコーヒーを好む傾向がありますので、そのような傾向の人たちには「ナイスカット-G」を好む傾向があり、良質な酸味系のコーヒーを好む人たちには「NEXT-G2」を好む傾向があります。
選ぶミルによって、同じコーヒー豆でも登場する味わいは全然違いますので、自分の好みの味の系統をきちんと理解した上でコーヒーミルは選んだ方がよいのです。

あとお水選びですが、お水を選ぶ際は、これも同じコーヒー豆を使い、同じミルで挽き目も同じにして、使うお水だけを変えてカッピングをします。
この場合に、1つはいつも使用しているお水を使い、もう一つに今回チェックをしたいお水で浸漬式で抽出をしてカッピングをすることで、お水の違いによる味の変化をチェックすることができるようになります。
すると、水を変えたことによるコーヒーの味の変化を感じることができますので、比べてチェックをしてみてください。

できるだけ一般的に入手しやすいミネラルウォーターの中では、香茶屋がオススメしているのは「サントリーの南アルプスの天然水」です。
こちらのお水を使うと、いろんなフレーバーや酸味が透明感を纏って登場するようになります。
ただし、透明感はボリューム感を目減りさせますので、透明感よりボリューム感(この場合はコク)を重要視される方は、他のお水を探してみてください。

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