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テイスティング、それぞれの役割。

公開日:2022年7月29日更新日:2022月07月29日
カテゴリ:論理的な考え方

テイスティング、それぞれの役割。

テイスティングを表現であると認識している人たちの仕事は、その味わいが「どのような味わいであるのか」を人に伝えるためにフレーバーの情報から「何にたとえて表現すれば伝わるか」を感じ取り、表現し自分以外の人たちにその味わいを伝えるという役割を果たしている。

コーヒーの場合ではカッピングと呼んだりするのがテイスティングである。
コーヒー本来のテイスティングでは、表現よりも「採点」に重きを置いている。
採点は、良質さを採点基準に置き換えたものとなり、正式には認定資格のため、有資格者しかその採点は基準とはなされない。
そのコーヒー豆がどれくらいのレベルのポテンシャルを持った素材であるのかを評価し、そのポテンシャルに見合った価格帯で販売するために採点の評価があり、コモディティ・ランクであるのか、スペシャルティ・ランクであるのかを見極めるために、コーヒーのテイスティングは役割を担っている。

ボクはコーヒー焙煎をするという仕事をしているのだが、焙煎によるローストにおける味づくりでは、実際にローストしたコーヒーをカッピング(テイスティング)して、ローストによる各設定から登場しているフレーバーの変化を感じ取り、バランスを見極め、次のローストプランという設定の詳細を構築するというプロセスをフレーバーから導き出す工程を行っている。
なので、コーヒー焙煎におけるテイスティングは、味づくりの役割を担っている。

今は新型コロナの影響から作らなくなってしまいましたが、ケーキを作っていた頃のケーキづくりのプロセスでも同じで、最終的なケーキを食べて、そのバランスを見極め、そのケーキに登場しているフレーバーから、レシピを変更したり、仕入れを変更したり、ケーキの組み立て方を変更したりするためにテイスティングによってフレーバーの分析をしていた。

味づくりという仕入れを含めた味づくりのバランスでは、実際にそれを食べて(飲んで)、全体的なバランスの中で崩れているポイントがあるのなら、「その理由が何であるのか?」を見極めることから始めなければならないので、その見極めのためにテイスティングのスキルがあるのだと考えている。
それくらいに嗅覚という器官はスゴイ機能が備わっており、嗅覚を鍛えることで「何が至らなさの原因であるのか?」を感覚により突き止めることが可能になる。

これらのようにテイスティングという言葉の意味も実のところ、いろんな意味が存在している。
一般消費者には、テイスティングと聞くと「ワイン」と連想する人たちが一番多いのではないかと思うのだが、実際には味づくりに関係する料理人なども、テイスティングして味のバランスを整えているので、そのスキルを使っていることになる。
しかし、味づくりの作業をそういうふうに見ている人はとても少ない。

なので、美味しいものを作りたいと考えている人には、嗅覚が大事なのだと言うことを伝えたい。
それは、問題をたどっていけば、「嗅覚で感じることがすべての始まり」だと言うことが理解できることだから。
そこを蔑ろにして美味しさを表現しようとしても矛盾があるからです。

美味しいものを作りたいと考えたのなら、その出発点を見極めなければなりません。
すると、何を学んでいかなければならないのかが、自ずと理解ができてくることでしょう。
その問題の原点に気づけた人だけが、味づくりの本質に近づいていけるからです。

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