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良質さは、時間でもある。

公開日:2022年8月7日更新日:2022月08月07日
カテゴリ:感覚のはなし, 講座。

良質さは、時間でもある。

今までお店をやってきて、農作物であるとか、品質の高いものの共通点があることに気づいている。

これまで、ホントに美味しいと思えた農作物や畜産品は、実際に生産者に話を聞いて、どこに品質の高いものが登場するための共通点をあるのかを探ったりしていますが、するとある共通点が見えてくる。
それが、商品化するまでの時間が長くかかることなのです。

農作物であるイチゴやトマトの場合だと、出来る限り余分な水を与えないように生産することで、成長するのに時間がかかるそうですが、そうすることによって風味が濃色され、一般的な生産のものとは比べ物にならないくらいの風味豊かで甘さが乗ったイチゴやトマトとなるそうです。

コーヒーの場合は、それを標高が行ってくれていて、赤道に近い生産地では、標高が高い場所で生産ができるようになり、そうすることで昼と夜の寒暖差から生育に時間がかかりますが、そうすることにより風味がギュッと詰まった芳醇なコーヒーが生産できるようになります。

お肉やお魚の場合は、よくボクも言っているのですが、エサの香りがお肉(身の香り)に付くので、臭みが登場しないエサを与えることが美味しさの意味でもあるのだと考えておりますが、畜産品の鳥肉の場合では、一般的なブロイラーの場合だと、生後40~50日で出荷されるそうですが、きちんとした飼料を与えると、ゆっくり成長するのでその成育日数は3ヶ月〜3.5ヶ月ほどかかるらしいのです。

ここで、考えてみれば理解できると思いますが、早く成長した方がビジネスとしては回転率が良いため売上が上がります。すると、より早く成長するような取り組みをすることになります。

それは品種なども含めた回転率の問題で、味の問題とは別の問題です。
回転率重視の生産者の場合では、そういった取り組みの中での美味しさを模索します。
ですが、実際には早く成長させると、不思議なもので味は落ちてしまいます。
品質的に、良いものは生産されることはあり得ないのです。

そこに疑問を感じ、回転率よりも良いものを作ろうと考えて取り組む生産者は、日数がかかったとしても、味を重視していろんなことに取り組む結果良いものが生産できるのですが、エサ代や成育日数は早く成育するものと比べて1.5倍〜2倍くらいの時間がかかることになります。
なので、当然なのですが、そのコストは値段に反映されることになるので、お値段が高くなる。

生産の背景を理解できれば、その味はそれだけの手間暇とコスト、そして思いが詰まっているから美味しいことが理解できます。
ボクはテイスティングによって、美味しさの背景にある良質さの成り立ちを見ているのです。
ですが、その味の美味しさをきちんと判断できる感覚が育ってなかったとしたなら、一般流通している商品でなんら問題ない訳です。

それを考えた場合に、人の感覚が美味しさにおいて、すべての意味を背負っている。
だからこそ、美味しいものを見つけたいと思ったのなら、自分の感覚を疑い、そして自分の感覚を成長させるために学ぶことを香茶屋では提案をしているのです。
良質な美味しさの背景にあるもの。
それこそが、良質な美味しさを作る上で、もっとも大切な美味しさの意味であるからなのです。

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