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目指す頂は、静けさという透明感に温もりの光が差し込んでいる情景。

公開日:2022年9月3日更新日:2022月09月03日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

目指す頂は、静けさという透明感に温もりの光が差し込んでいる情景。

偽ピーク。
山歩きをしていると、目に見えているその頂の奥に目指しているピークが現れた瞬間に、「まだここが頂上じゃないんだ」と肩の力が落ちる瞬間を何度も経験している。
もちろんきちんと地図を読むことができる人ならば、歩いているその地形とその目線から偽ピークの情報は読み取れることなのだろうが、登山道を歩く山歩きでは、そこまで地図を頼りに歩かなくても登山道を外れない限り、そして分岐点で登山道を間違えない限り、目的地まで辿り着くことが容易なのである。

そうボクのローストは、偽ピークを踏んだ瞬間に、そこが目指している頂上ではないことに気づいてしまった。
そして、実は分岐点で道を間違えていたことにも気づくことになった。

そこに気づくと、2018年まで遡ることになる。
2018年の焙煎の競技会で決勝へと進んだことの出会いから、それまでの鎖国時代(オリジナルの味づくりを求めて他所の焙煎を見てこなかった)から、他所の焙煎技法という新たな風が入りこむことになったことだ。

当然、新しい焙煎の技法を目の当たりにして、ボクのオリジナルの焙煎に、新たに吹き込まれた新たな技法を取り入れて、その最終型だと思われる「ローストの設計図」まで辿り着いた。

そう。
ローストの成り立ちの全容が理解ができてきた瞬間に、こっちの道じゃなかったことに気づいてしまった。
そして、2018年に取り組んでいたローストが、そこまで核心に近づいていたことに驚きと興奮をしている。

そして、その偽ピークの前に現れている目指す味づくりの頂へと続く道はこの偽ピークからその先には伸びていないことにも気づき、歩んできた道を引き返すことになる。
だけれど、決して肩を落としている訳ではない。
道間違いをしていたことに気づき、そして正しい頂に続く道は途中まで歩んでいたことをボクは知っているから。

そして、以前歩んでいた道を歩み返すことになる。
しかし、それからの4年間で手に入れた「スキルと感覚」は、以前歩んでいた時よりも更にその先までボクが目指す頂へと道は続いていて、偽ピークよりも高い標高までその道はしっかりと道があることにも気づいている。

間違いだと気づいた瞬間に引き返し、そして以前歩んだ間違えた道よりも4年間の経験から、今はその先の標高にいる。
ただ、この先は誰も踏み入れていない、道の無い頂に向けて歩んでいくことになる。
だけれど、もう目の前にはその頂が見えているところにまで来ている。

ただし、その頂に立つことで、また偽ピークの可能性もある。
この先は、もう地図もなければ、登山道もない。
ただし、これまでの人との出会いから、そしてこれまでの気づきから、もう目指すべく味づくりの情景がイメージできている。
感覚と論理が繋がってきた今、あとは道を間違えないように、そして間違えたのなら引き返して、そこからまた登り歩いていけばいいことをボクはもうすでに知っている。

ここから先の味づくりは、感情に直接はたらきかける味づくりとなる。
そして、ようやくここまで歩んできたことに興奮をしている。

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